ドローン撮影、“無許可飛行”が増えている問題と安全運用の考え方
ドローン撮影の仕事をしていると、
国交省の飛行申請だけで済ませていたり、
中には完全に無許可のまま飛ばしてしまうケースの話を耳にすることがあります。
飛ばすこと自体は簡単になった一方で、「許可」と「安全運用」の本質が見落とされがちな状況も感じています。
国交省の飛行許可は「万能パス」ではない
まず押さえておきたいのは、 国交省の飛行許可=どこでも自由に飛ばせる権利ではない という点です。
航空法上の制限(高度・飛行方法など)をクリアするために
国交省への申請は必要ですが、
実際の撮影現場には必ず次のような関係者が存在します。
- 公園・文化財・港湾・河川などの管理者
- 自治体・役所(市・区・町など)
- 土地所有者
- イベント主催者
- 周囲で営業している事業者や近隣住民
それぞれに対して、「承諾」「周知」「安全配慮」が必要です。
航空法上の許可だけでは、こうした個別の許可や合意まではカバーできません。
なぜ無許可飛行が問題なのか?
「小型だし大丈夫」「人がいないから平気」といった感覚で、
無許可のまま飛ばしてしまうケースも、残念ながらゼロではありません。
ですが、無許可飛行は 操縦者本人だけのリスクに留まらず、業界全体の信用を落とす行為 になってしまいます。
もし事故が起これば、ニュースやSNSで拡散され、
「ドローン=危険」「規制をもっと強化すべきだ」という流れが一気に強まります。
真面目に許可取りと安全運用を続けている人たちも、同じように厳しい目で見られかねません。
ドローン業界にとって、そのくらいのインパクトがあると感じています。
現場にはどんな許可と周知が必要なのか
実際の現場では、次のような流れで許可・周知を行うことが多いです。
- 撮影場所の管理者へ撮影許可の相談・申請
- 必要に応じて自治体・役所(公園・河川・港湾・文化財など)へ申請
- イベントであれば主催者と飛行エリア・時間・安全管理の事前共有
- 近隣事業者・住民への周知(音・プライバシーの配慮など)
- 国交省への飛行許可・承認(該当する飛行を行う場合)
私の場合は、さらに所轄の警察署に事前周知を行うようにしています。
通報があったときでも、警察側が「事前に話を受けている撮影だ」と把握していれば、
現場確認が省略されるケースもあり、現場が無駄に混乱することを防げます。
手間も時間もかかりますが、その分だけ当日の安心感がまったく違います。
許可取りは「安全」と「信頼」を買う行為
書類作成や電話、メール、調整…。
許可取りはどうしても地味で、見えにくい仕事です。
しかし、この積み重ねが結果的に、次のようなものを生み出します。
- 当日の安心感(現場で堂々と飛ばせる)
- 事故ゼロにつながる安全運用
- クライアントからの信頼と安心感
- 撮影者としての信用・評価の蓄積
言い換えれば、許可が取れないなら飛ばすべきではない場所も確実に存在する
ということです。
「そこまでして飛ばす価値があるか?」という判断も、プロには求められます。
私が大切にしている姿勢
私自身は、一つひとつ許可を取り、堂々と飛ばせる環境をつくることを大切にしています。
・管理者・主催者・自治体にきちんと説明し、承諾を得ること
・所轄警察署や必要に応じて消防にも事前周知すること
・安全員配置・飛行ルート・離発着場所を含め、安全計画を共有すること
これは、
「自分を守るため」「お客様を守るため」だけではなく、
「地域」と「業界」を守るための行動でもあると考えています。
まとめ|安全運用は地味だけど、いちばん大事な仕事
この記事のポイントを整理すると、次の通りです。
- 国交省の飛行許可は「航空法」をクリアするだけで、現場の許可まではカバーしない
- 無許可飛行は、操縦者本人だけでなく業界全体の信用問題につながる
- 管理者・自治体・イベント主催・近隣への「承諾・周知・安全配慮」が必須
- 許可取りや周知は、当日の安心感・事故ゼロ・クライアントの信頼を生む投資
- 堂々と飛ばせる現場づくりこそ、プロのドローン操縦者に求められる姿勢
ドローン撮影は楽しく、クリエイティブで、可能性に満ちた技術です。
だからこそ、これ以上規制が厳しくならないように、
一人ひとりが「安全でクリーンな運用」を心がけていくことが大切だと感じています。
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今後も、FPVドローンや空撮の現場で感じた“リアル”を発信していきます。